INTRO
調査は万能ではありません。
どれだけ条件が整っていても、確認できる範囲には限界があります。制度、地域、情報の非公開性、対象の移動性、第三者の介在などによって、到達できない領域が必ず残ります。
問題は、できないことがある点ではありません。それをできる前提で考えてしまうことです。
3 AXIS
できないことは、主に三つに分かれます。
完全な特定はできません
所在、勤務先、行動範囲などは確認できますが、「常にそこにいる」「確実にそこに戻る」といった完全な特定はできません。
確認できるのは、その時点での状態に限られます。
関係性の断定はできません
接触、同席、利用状況などから関係の存在は見えますが、その関係の性質や意図までを断定することはできません。
見えるのは行動であり、内面や合意ではありません。
全体把握はできません
資産、取引、関係先などを一部確認することはできますが、すべての情報を網羅することはできません。特に海外では情報の分散と非公開性が強く影響します。
確認できるのは構造の一部です。
POSITION
調査の限界は、失敗ではなく前提です。
できないことがあるのは、能力の問題ではありません。制度、環境、対象の自由度によって決まる構造上の限界です。
それを理解せずに進めると、「なぜ分からないのか」というズレが生まれます。調査結果の読み違いもここから発生します。
だからこそ、できることと同時に、できないことを固定する必要があります。
CHECK POINT
完全性を前提にしていないか
すべて分かる前提は現実とずれます。
断定を求めていないか
確認と断定は別の領域です。
見えない部分を無視していないか
見えない領域も含めて構造を捉える必要があります。
GUIDE
できないことを見るときは、順番を固定します。
01
確認範囲を明確にする
どこまで見えるかを前提に置きます。
02
断定を排除する
結果を確定情報として扱わないことが必要です。
03
見えない領域を残す
不明な部分を無理に埋めないことが重要です。
ENDING
できないことを固定することが、判断の精度を上げます。
海外調査では、見える範囲と見えない範囲が必ず存在します。すべてを明らかにしようとすると、逆に判断を誤ります。
何ができないかを明確にすることが、結果の読み方を安定させます。
